マイナンバーカードの作成は任意なの?
「マイナンバーカードを必ず作成しなければならない」って思われている人は、意外にも多いものです。
マイナンバー通知カードは、有無を言わさず自宅へ送られてくるので、拒否はできませんが、マイナンバーカードは、作成するか しないかはあなた次第なのです。
要するに任意ってことですね。
マイナンバーカードって作成しておいたほうが良いの?
マイナンバーカードは、実際作られている人は、各市町村の統計から見ても全体の約1割程度です。
(H29.11月現在)
つまり、10人に1人がマイナンバーカードを持っているというわけですね。
この数値を多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれです。
現在のマイナンバーカードのメリットとして市役所から説明されているのは、「本人確認書類」として利用できる事と、コンビニで住民票や戸籍が取得できる、いわゆる「コンビニ交付」、パソコンから確定申告ができる「e-tax」が主流です。
今後、マイナンバーカードを利用してのサービスは増えていきますが、現在の状況をみると「持っていなければ、損!」と思えるものでは無さそうです。
しいて言うなら、コンビニなどに設置している機械(多機能端末)で、住民票、戸籍、印鑑証明、税証明が市役所が、休日や時間外で閉まっている時間帯でも自由に取得できることぐらいでしょうか。
私の住んでいる町では、休日を問わず朝の6時30分~夜の11時までコンビニで証明がとれます。
しかも、市役所の窓口で証明書を発行するよりも100円お安く取れるので重宝します。
各証明が必要な時は限られていますが、急に住民票など証明書が必要になったときでもマイナンバーカードを持っていれば安心です。
コンビニ交付自体を行なっていない市区町村や取れる種類の証明書が少ない市区町村もあるため、お住まいの地域によっては便利度が異なりますが、作成の手間をかけても、それを上回るメリットを感じれば作成してみても良いのではないでしょうか。
子供にマイナンバーカードは必要なの?
今後、マイナンバーカードを持つメリットは、国の政策で増やされていく予定ですが、現段階では子供がマイナンバーカードを持つメリットは、まだまだ低い印象です。
というのも、マイナンバーカードのメリットは先ほども上述した「本人確認書類」という用途と「コンビニ交付」という用途ということ。
中でも、コンビニ交付は15歳未満のお子様は利用出来ないとしている市区町村も多いので、そうなれば、用途は本人確認としての機能のみとなります。
本人確認書類として、マイナンバーカードが利用できるといっても、子供が本人確認する場面もあまり見当たらず、利用頻度は低そうです。
もし、本人確認が必要な時でも、お子様の「保険証」だけで通るところも一般店舗では多いですし、官公署の手続きで求められる本人確認書類としても、「保険証と乳幼児福祉医療受給券」や「保険証と母子手帳」などの2点の組み合わせでも大丈夫なわけですから。
また、お子様(20歳未満)のマイナンバーカードの有効期限は、5回目の誕生日まで。
なので、小さいお子様、特に赤ちゃんにとっては、利用する場面もなく、すぐに期限がきてしまうので使わないままで終わってしまうケースも多いのではないでしょうか。
可愛い我が子の赤ちゃんの顔写真付きマイナンバーカードを記念として持っておきたい人もおられますが、有効期限が来て新たにマイナンバーカードを作成するときには回収されてしまうことを思うとなんだか、悲しいですね。
これも、あくまで現段階での話なので今後、子供がマイナンバーカードを持つメリットが増えてくれば、それから作成を考えてみても良いかもしれません。
高齢者がマイナンバーカードを持つメリットって?
高齢者の方々は、「マイナンバーカードは、絶対作らなくてはいけないもの」
と思ってらっしゃる方が多いようで、市役所窓口でマイナンバーカードの手続き方法を聞きに来られる様子をよく見かけます。
もちろん、マイナンバーカードの作成は強制的なものではなく任意なのですが、高齢者がマイナンバーカードを持つメリットをここで紹介しますね。
本人確認書類としてのメリット
高齢者がマイナンバーカードを持つ最大のメリットは、「本人確認書類」としての機能なのではないでしょうか。
現役世代は運転免許証といった本人確認書類を持っている方々が多いのですが、高齢者は運転免許証を既に返されている人や免許証を持っていない人も多いですよね。
運転免許証を警察署に返納する時に、運転経歴証明証という本人確認書類を受け取ることが出来ますが、それは有効期限内の運転免許証を返納する場合に限られます。
※運転経歴証明証は発行手数料がかかります。
うっかり有効期限が過ぎてしまえば、運転経歴証明証は手に入れることができません。
また、マイナンバー制度の前には、住民基本台帳カードというものがありました。
住民基本台帳カードも顔写真付きの本人確認書類として認められているもので、もしかすると、お持ちの高齢者もいらっしゃるかもしれません。
マイナンバー制度が始まった今でも、住民基本台帳カードは有効期限内であれば本人確認書類として使えますし、コンビニ交付として証明書を取得できるカードです。
※コンビニ交付は対応している自治体のみです。
ですが、この住民基本台帳カードは いまいち普及していなかったため、お持ちの人は少ないハズ。
「住民基本台帳カード?なにそれ?」という人は、まず持っていないカードだと思います。
さて、マイナンバーカードや運転免許証、住民基本台帳カードなどの顔写真付き本人確認書類を持っていないとしたら、官公庁などで重要な手続きをするときには、保険証や年金手帳など2点の組み合わせを提示することになります。
いつでも、スムーズに手続きを進められるようにするためにも、最初は手間に感じてもマイナンバーカードを作成しておいた方が、後々楽なのではないでしょうか。
コンビニ交付としてのメリット
※コンビニ交付とは、コンビニなどに設置されている機器で住民票などの証明書を発行するものです。
高齢者については、住民票や印鑑証明書などの証明書が必要な場面は現役世代と比べて少ないのではないでしょうか。
とはいえ、証明書が必要になるたびに、わざわざ市役所まで足を運ぶのは、疲れます。
そのような時は、近くのコンビニエンスストアでらくらく、証明書が取れるのは嬉しいですね。
しかも、市役所の窓口で証明書を取るよりも、コンビニ交付では証明発行手数料を お安く設定している市役所も多いんですよ。
ただ、「コンビニ交付の操作方法が分からない」
「機械操作は苦手なので、付き添ってもらいたい」
という高齢者も多いので、そういった場合は、マイナンバーカードのコンビニ交付のメリットは薄いです。
身内の人にマイナンバーカードを預けて、証明書を取得する方法もありますが、あらかじめ代理人に4桁の暗証番号を伝えることが必要で、万一、代理人が3回暗証番号を間違えるとロックがかかってしまいます。
そうなると、証明書発行ができなくなるので、市役所にマイナンバーカード所有の本人が行かないと、ロック解除できません。
※市役所は、代理人を通してマイナンバーカードでの証明書発行は推奨していません。例え代理人が身内であってもセキュリティ上、マイナンバーカードを預けないように注意を促しています。
繰り返しになりますが、機械操作が不慣れで不安なので、市役所の窓口で職員の案内を受けながら住民票などの証明書を取りたい人にとっては、コンビニ交付のメリットは低いですね。
⇒マイナンバーでコンビニ交付をとるメリットとデメリットまとめ
パソコンから確定申告をする(e-tax)のメリット
マイナンバーカードには、特別、不要という意思をしめさなければ、パソコンから確定申告をする、いわゆるe-taxができる機能が付いています。(署名用電子証明にチェックを入れた人は、不要の意思を示したことになりe-taxが使用できません)
もし、自営業の場合など、毎年 確定申告をする必要のある高齢者については、税務署まで足を運ばず自宅で確定申告が出来るメリットが生まれます。
逆から言えば、今後、マイナンバーカードを持っていないとe-taxは出来ないので、利用する予定の人は、あらかじめマイナンバーカードを作っておくと、申告時期に慌てなくて済みます。
カードリーダーライターは、ご自身で用意する必要がありますが、毎年、確定申告する人にとっては大きなメリットですね。
マイナンバーの管理は慎重に!
また、注意したい点は、マイナンバーカードの管理。
マイナンバーカードをせっかく作っても、
「どこかで落とした」
「どこに保管したのか、覚えていない」
「どこかに置き忘れた」
「誰かに預けたが覚えていない」となってしまっては問題です。
自宅内で無くしたのであれば、他人の目に触れる可能性は少ないので、まだ 救われますが、他人にマイナンバーが知れてしまった場合やカードが他人の手に渡ってしまって悪用される可能性がある場合は、すぐに対処しなくてはいけません。
マイナンバーカードを提出する必要のないところで、カードを渡してしまって、訳が分からないうちにマイナンバー部分をコピーされたりすることも考えられます。
(行政機関などはマイナンバーを管理する権限があるので、安心ですが一般店舗などでマイナンバーのコピーが取られていては問題です。)
若い世代でも、マイナンバーカードの管理が不十分なケースが見受けられる中、高齢者もより慎重に管理する能力が問われます。
高齢者を狙ったマイナンバー詐欺が世間を賑わしていますが、危機管理意識を持っていないのに安易な気持ちでマイナンバーカードを手にすると後悔するかも知れません。
もちろん、高齢者といっても若い世代よりも危機管理能力を持っている人は多いものです。
でも、認知症の疑いがあったり、心身薄弱、寝たきり状態の方は、マイナンバーカードの管理面で少々不安があるので、本当に手にしておいた方が良いのかどうかを再検討する必要がありそうです。
どうしても、必要なのであれば、成年被後見人を付けてマイナンバーカードを申請し受け取る方法もありますが、裁判所を通して後見人を設定するのでハードルが高まります。
以上のことを踏まえて、マイナンバーカードを申請されるなら、最大限有効活用して生活の利便性を少しでも高めて頂きたいです。
まとめ
マイナンバーカードの作成は、任意で絶対ではありません。
必要になったときに作成すればよいのです。
マイナンバーカードのメリットは、現段階では、本人確認としての機能とコンビニで住民票や戸籍が取得できる「コンビニ交付」、またパソコンから確定申告ができる「e-tax」です。
でも、子供(15歳未満)はマイナンバーカードのメリットを活かせる場面が少ないので、作成する手間を考えると不要なものでしょう。
一方、高齢者はマイナンバーカードの管理面で注意が必要ですが、メリットを活かせる場面が多いので作成をオススメします。
マイナンバー制度をわかりやすく説明した良書3冊を厳選して紹介!
「マイナンバー(個人番号)とは、国民1人に1つ与えられる12桁の番号のこと」と何となく知っているものの、「マイナンバー制度ってどういうもの?」ってチンプンカンプンという方って多いですね。
実務をしている私でさえ、マイナンバー制度の細かい点を把握するのは、とてもむずかしいものです。
マイナンバー制度って、実際、「私たちの日常生活にどのような影響を与えるものか」ということをしっかり、把握するのは意外と大変なのです。
でも、「大変だからマイナンバーのことは気にしなくていいか」では、どうやら済まされないようです。
というのも、「すべての医療機関で、マイナンバーカードが健康保険証にとって代わる仕組みになる」ということや「令和4年度中をめどに、全国民にマイナンバーカードを保有させる」という政府のスケジュールが示されているからです。
これを考えると、近い将来、マイナンバー制度中心の世の中になることは、間違いのないことです。
そこで、時代に乗り遅れないためにも、マイナンバー制度を分かりやすく理解できるよう、厳選した書籍を3冊ピックアップしてみました。
基本知識から実務での対応まで、良書を集めてみましたので興味がある方はご覧ください。